数学論文投稿(その後-2)
前回のブログ更新から8ヶ月も経った。心配して、メールをくれた方もいた。実は、例の数学論文の改定作業に没頭して、夜と昼が逆転に近い日々を送っていたのです。前回の経緯はご確認ください。査読がなかなか進まないので、事務局に催促のメールを送ったところ、編集長から、3週間ほど待てと連絡が来たのち、3日後に拒絶通知が来ました。査読者の公式なコメントはありませんでした。編集長から私的なメールが来て、彼の同僚(査読者?)の意見として、新規性(novelty) と厳密性(rigor)に欠けるとの指摘があったそうだ。彼は、初等数学に特化した雑誌に投稿を勧めると同時に、書き直して再投稿をしても良いと進言してくれた。AIとも相談して、原稿を大幅に書き直して、2ヶ月ほど前に投稿した。この時にも、1か月ほど編集長預かりのままであった。その間にも気になるところがあったので、編集長に私的なメールを送ったところ、気がすむまで改定作業をして良いと返事が来た。それで、一昨日にこれが最後の改定原稿だと書いて、メールをしたところです。すぐに、彼は旅行中であり戻ったら、査読システムに改定原稿を上げようにするので、待てと言ってきた。
今回の改定作業は、大幅です。特にSchwartz超関数理論の以後の進展を、特に、Gel’fand & Shilov の複素関数領域に解析接続したgeneralized functions 理論、佐藤のHyper function 理論まで勉強して、議論に踏み込むことになった次第です。完璧に理解したとは思いませんが、しかし、その本質は分かったつもりです。結果として、私のtruncate-and-generalized limit (t.g.l.) によるフーリエ変換理論は、Schwartz のtempered distribution を超えて、exp(t ^2) やexp(1/t) などの関数を、初等数学の範囲内で扱うことができることを示しました。
論文の新規性としては、関数の時間及び周波数領域での打ち切り、打ち切った関数のフーリエ変換ののち、極限以降の順番を限定して取るという、一連の数学操作をまとめての定義とすることを、主張することにしました。超関数という山への登山に例えると、超関数理論は相方として、とても都合の良い試験関数を持ち込み、これに作用する汎関数(functional) という抽象的な概念を導入しています。したがって、いかにタチが悪い関数でも、定義さえ適当に変えれば、扱うことが可能になります。いざとなったら、周波数のみならず、時間さえも複素数に拡大します。これに対して、私の登山経路は、昔ながらの初等数学の演算のみで目的の関数へ到達します。両者で登れる山の高さがどのように異なるかは、ハッキリと示すことはできていませんで、将来の研究課題だと書いています。
タチが悪い(関数値が無限大になる、あるいは有限であっても無限区間積分すると結果が無限大になる)関数といえども、ほとんどの変数領域では素直な性質示します。そのため、問題の区間で関数をゼロに抑えておいて、フーリエ変換をしてから、徐々に無限値になるところに近づける方法は、誰が見ても数学的に思いつきそうなものです。しかし、私が、AIとともに調べる限り、今まで誰もこの方法を提案しておりませんでした。超関数理論が登場して大成功を収めたので、誰も、この地道な方法を考えようとしなかったと私は、推測しています。私の方法が、今まで成しえなかった関数を扱える方法であれば、すぐに論文発行が許されるはずです。その点では、明らかにこれまでの理論を超える結果とは言い切れない。ただし、数学の価値は結果のみの新規性では無かろう。例えば、今までと違う簡単な証明の仕方を見つかれば、これは、数学論文として価値が認められ、実際に論文誌に掲載された例があるようです。AIによれば、整数論の問題を複素関数論を用いての証明の後で出た、初等的な方法でしかも1ページで証明が完了する有名な論文があるそうだ。私自身は、今回のノーベル化学賞を受賞した、爽合憲三さんの言ではないけど、十分に価値があると思っています。特に、超関数理論を理解していないので数学者に引け目を感じている、工学部や物理学科の教官が、デルタ関数を教える時に、大いに役に立つと信じています。
いずれにせよ、今回は数学の勉強と研究の面白さにハマってしまった。来る日もくる日も、数学が頭に取り付いて離れなかった。手を加えても、次々に新しい改善点が出てきた。しかも、都合が良いことに、2、3日前に手を加えたことが、年のせいかすぐに忘れてしまい、常に新鮮な立場で論文を見直すことができた。若いときであれば、2、3週間は寝かす必要があったのだから。おかげで、73ページにもなった。私の論文としては、初めての超大作です。ただし、工学や物理での応用に重点を置き、また、超関数理論の本質を、概念的と具体的(式と例題)の双方で書いたことが、ページ数の増加の原因である。また、これまで何度も落とされたので、防衛的な言い回しが多くなっている。私の美学には反する結果になった。式の意味するところを、私流儀の言葉で説明している。余計なお世話だと、査読に廻るとツッコミが来るだろう。
今回の投稿結果がどうなるかは、予断を許しません。しかし、すでにAIと相談して、次の投稿先を決めています。少し、応用数学よりの論文誌です。さらには、私の論文は、arXivというウエブサイトに公開されています。掲載には、この分野の専門家による裏書(endorsement) が必要だった。編集長のHans. G. Feichtinger 教授(ウイーン大学数学科)、が私の依頼にすぐに応じてくれようとしたものの、彼の論文の数が規定を満たしていなかったために出来なかった。慌てて同僚の教授に頼んでくれて、裏書してもらった経緯があります。
興味がある方は、サイト(arXiv: 2607.04099)を見てください。あるいは、Google drive に論文原稿、Q&A ,比較表が あります。
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