分布定数線路
社内研修用の講義資料を作ってみました。分布定数線路の理論と応用を解説しています。ここではまえがきのみ掲載しておきます。続きは資料を見てください。
1. まえがき
高周波信号を伝送する線路は分布定数線路と呼ぶことがある。例えば、VHF帯のTV信号用のケーブルとして、レッヘル線 (Lecher line) がよく使われた。TV信号がUHFも使われるようになって、これの代わりに同軸ケーブルが使われている。マイクロ波などの線路としては、立体回路である導波管が使われる。マイクロ波回路の中では、マイクロストリップ線路 (micro-strip line)がよく使われる。これらの線路の性質は、Maxwell の電磁界方程式をそれぞれの境界条件を与えて解くことによって示すことができる。同軸ケーブルの電磁界理論は、Maxwell の方程式の意味するところから始めて、私の下記のブログにも載せているので興味がある方は読んでください。https://yakaiwa.blogspot.com/2023/03/blog-post_17.html
分布定数線路という用語は、従来の集中定数回路を意識して作られたものであろう。集中定数回路素子であるInductance 、Capacitance が分布する回路モデルが用いられる。このモデルを使えば、電圧や電流の波としての性質を記述できる。Maxwell の電磁界方程式を持ち出すまでもなく、集中定数電気回路理論の延長として、理論展開ができるので、取り付きやすい。ここでは、分布定数線路の理論解析を、馴染みがある実数関数を用いて始める。その後、複素数表示 (交流理論)を使って説明を行う。電気工学が専門でない方にも、複素数表示の数学的な便利さを実感していただきたい。また、分布定数線路を用いた応用例を示して解説している。
赤岩先生 分散定数回路の実用性はアンテナやフィルター、非対称回路など形状にひたすら依存したものですが、この論文の記述範囲なのでしょうか?
返信削除実用性というあなたの言葉に引っ掛かります。分布定数回路における波の進行と反射を記述しているだけです。
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