交通違反をしての認知機能検査

 

免許更新時の年齢が75歳以上の者は、更新時の高齢者講習に加えて、認知機能検査を受けなくてはならない。私はこれまでの免許更新のタイミングが良かったのか、来年 (2022) の誕生日(77)前の更新時に受ければ良いはずだった。しかし、一旦停止違反で警察に捕まり公安委員会より臨時認知機能検査通知が届いていた。これは先のブログに書いた。

私が所属するテニスクラブには、同年の方が何名かいる。その中には県警に勤めていた男もいる。先の日曜日に行われた、テニスクラブの部内親善大会で、私はその男に交通違反して、認知機能検査に呼び出されたことを話し、どのような検査をするのか聞いた。傍にはもう1人の同年齢の男がおり、彼ら2人が体験談を語ってくれた。1番難しい問題は、4つの絵(イラスト) 1枚のスライドに描かれているのを、合計4枚、短時間で見せられる。合計16個の絵が何であったかを後で思い出して言葉で書かせる問題である。彼らは、事前に調べて十分に練習して受けたそうだ。警察官でない方は100点満点を取ったそうだ。私は今日の日付も覚えていないことが多い (実際にそのような問題も出て慌てた) ので、大いに不安に思った。本やネットにも出ていると言うので、彼らのように事前に準備しようと考えていたのに、ズボラなためにこれを怠り、また、練習しないのが本当の自分の認知力の検査になると言い訳を作って、本番に臨んだ。

 

免許更新時における検査であれば、近くの自動車教習所で受けることができる。しかし、私の場合は交通違反なので、臨時検査であり、福岡市の奥にある運転試験場まで出向いていかなければならない。自宅から電車で35分、それからバスに乗って40分はかかる。この運転試験場は私には因縁がある。大学の夏休みに免許試験を受けて、2回目に実技試験でわずか2点足りなくて落ちたことがあった(当時も自動車学校はあったが、授業料が高いので、私は貸しコース車で自分で練習した。結局は、その後3度目の試験 (長崎県大村の運転試験場)で受かった)


係官の言葉遣いは、例によって不自然に丁寧である。ただし、検査を受ける我々全員(15) が交通違反したものであるので、その態度の端々に我々を罪人とみなしている風が感じられた。私は2度もきつく注意された。1度目はボールペンを早く握ったことである。解答用紙はまだ閉じているのにである。2度目は時計の問題の時である。事前に腕時計を外してカバンの中に入れさせられていた。時計の問題を説明する際に、私が思わず腕の袖をまくってみたのを、見咎めて大声で叱られた。私は黙ってシャツをめくって時計がないことを見せた。係官は謝りもしない。質問がないかと聞いたので、私が聞いたところ、それは先に説明したと言う。15分ぐらい前に、トイレに行きたいものがあれば、今のうちに行けと言ったので、私が席を外した時に話したようだ。他の男が取り締まりについて質問したら、私は警察官ではないから答えられないと言った。この試験はあくまで臨時であるから、また違反したらまたここに来て同じ検査を受けなければならないとも言った。


16
個の絵の問題になって慌てた。10個しか思い出せない。しかし、次の助けが用意してあった。思い出すヒントが書かれている。例えば、動物は、家具は、果物は、などとある。不思議なことにこれによって16個が全て思い出せた。私は昔から記憶が苦手である。ただし、自分が気に入った事は細かな情景として思い出すことができる。

 

テニスゴルフの仲間で東工大出身で驚くべき記憶力の持ち主がいる。一緒にゴルフ場を廻っているときに、私が自分のスコアをつけ忘れて、前のホールではいくつ叩いたかと彼に聞くと、いつもしっかり答えてくれる。終わってから、18ホールすべての他人のスコアをほとんど覚えているそうだ。私が悪気なくスコアを少なく言うようなものなら見逃しはしない。「赤岩さんはあそこでチョロしたではないか、それを入れていない」と言う具合である。私はどうも悪いことをすぐに忘れるたちのようだ。彼はテニス同様にトランプ (ブリッジ)も強いそうだ。奥さんと組んで県の大会などで何度も優勝している。何せ、それまで出たカードは全て頭に残っているそうだ。東工大の入試の数学はかなり難しい。彼は、「数学は暗記だ」と思っているのかもしれない。もっとも、研究心は強く、私の質問にいつも興味を示してくれる。

検査結果が出るまでの1時間ちかくビデオを見せられた。普通の人が運転中に経験した、ヒヤリ、ハットの場面を車に取りつけた運転記録装置で撮影したものを再生してみせた。これは臨場感があってよかった。


検査の成績は88点であった。全員が最上位のランク(3)であったそうな。家に帰って、カミさんに見せたら、部分点を足すと88点よりはだいぶ少ないと指摘された。慌てて試験場に問い合わせたら、部分点を元にして計算してあるそうだ。A部分(日にち)C部分 (時計)は満点だと言う。計算式は通知表の裏に示してあった (渡してくれた時説明してくれてもいいのに)。これを用いて計算してみると、B部分 (記憶と数字認識速度)80点相当になった。

 

臨時検査のやり方と係官の態度について、カミさんと文句を付けウサ晴らしをした。カミさんが、電車代が片道500円以上かかった上に、バス代も高かっただろうと聞く。そこで困ってしまった。博多駅でバスを降りたときの運賃表の金額を思い出せなかったのだ。いくつか前のバス停で410円が出ていたのは思い出せたけれども。

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