特異関数のフーリエ積分

私が、ある数学論文を書いて論文誌に投稿して、何年もずっと拒絶されてきたことは、その都度ブログに書かせてもらいました。昨年度末に、偶然にも、また運良くも、Springer Nature 社の発行する論文誌、Journal of Fourier Analysis and Application で受け付けてもらい、今、審査中です。そこで、編集長 (ウイーン大学数学科教授) が直々に担当してくれています。そして、私的にメールをやり取りしています。本当は異例です。先方から申し出がありました。実は、彼が準備していた論文が、私のものと趣旨がかなり同じだったのです。その原稿を私に送ってきたのです。ただし、論文形式は、数学会の体裁に従ったもので、私が読み解くのは、大変難しいものです。私は、彼の論文を理解するために、私の論文で扱っている特異関数を例にとって、彼の方法でのフーリエ変換を行ってくれと頼んでいました。彼の方法では、答えが出せないことは、私は予想していました。そして予想通りの返事でした。

 

その関数とは、f(x) =1/xn (n=1,2,3…) です。この関数は、x = 0で無限大になるので、x = 0での微分やx = 0を含む区間の積分はできません。しかし、x = 0となるのは、1点だけです。それで、この特異な点を除いても、この式を物理学や工学に応用するときには、別段問題が無いことがあります。ただし、x = 0の点を避けるために周りのx0となるたくさんのxの関数の値まで無視することは許されません。

 

したがって、数学では極限の概念を使います。積分する際に、原点を避けて、2つの区間で積分し、その後、積分範囲を原点に極限移行するものです。これは、広義積分 (improper integral: 非正規積分と訳した方が良い) と呼ばれるものです。 その例として、積分範囲を0点の周りに対称に取る方法は、コーシー(Cauchy)の主値積分と呼ばれています。n=1に対しては、この方法で、フーリエ積分(変換)の答えが求まっています。ところが、n2以上になると、うまくいきません。

 

これを解決したのが、アダマール (Hadamarl) の有限部分(抽出)と呼ばれています。積分区間を特異点を避けて先分範囲を分割するのは、コーシーの場合と同じです。部分積分を行うと、定数部分が無限大に発散するので、この部分を見つけて無視する方法です。ただし、発散する部分を見つけるのが厄介です。超関数理論が出てきても、本質的な考え方は同じです。

 

編集長からの返事が来てから、私の方法がうまくいく理由を考えていました。実は、n2以上になると、私の方法の根拠が明確でないことが分かったのです。それで慌てました。例によって朝から晩まで式をいじって考えていて、私の方法が素晴らしいことが分かりました。私の方法は、避けている特異点領域をゼロにするものです。これに対して、今までの方法は、積分する領域だけ考えており、積分領域以外には無頓着だったのです。私の方法は、関数の値を特異点付近で強制的にゼロにするので、打ち切った2か所で関数が不連続(ジャンプ)になります。部分積分では、必ず微分が出てきます。この、不連続部分は微分が無限大になります。実は、この部分を積分すると、アダマールの発散部分を打ち消す仕組みになっていたのです。

 

私は、今回の結果を論文形式にして、編集長に今日送りました。今回の議論部分の不備で論文が拒絶されるのを、未然に防ぎたかったのです。まだまだ、予断はできませんが、その他の指摘には十分反論できる自信があります。何せ5年間も考え続けてきたのですから。そして、小学1年の担任の穎川サワ先生の忠告をずっと守ってきたからです。

 

その忠告とは、「自分が本当に理解しているか常に自分を疑い続ける勇気を持て」です。

 

興味がある方は、今回まとめた論文を読んでみてください。わかり易く書いたつもりです。英語が苦手な方は、無料のAIChat GPTなど) で翻訳してもらっても良いと思います。今回の論文作成では、AIに随分と助けてもらいました。式の誘導はお粗末ですが、論理構成まで考えた英語の文章添削は、かなりのもので、私など及びもつきません。ただし、単語を含めていかにも格式張ったところが気になります。ただし、こちらがその体裁程度を指定できます。

コメント

このブログの人気の投稿

日本数学会への論文投稿(続き)

数学論文投稿 (電子情報通信学会 9度目の拒絶と10回目の投稿)

コンテナの重心の計算と測定法