数学教科書、J. Stewart, Calculus, 7E, Early Transcendentals
これは大学向けの教科書である。ネット検索で見つけた。下の写真がその表紙だ。ともかくその分量に驚かされる。本文ページ数1,169、付録135という代物である。いろいろな版がある。これは第7版。
まず、気になったのは、英単語Calculusである。聞いたことがあるけど、はっきりした意味がわからない。調べてみると、「微分積分学」のことである。私が大学教養部で習った数学の本の題目は、「解析学入門」と「代数学と幾何学」であった。これらに対応する英語は、それぞれ、Analysis、Algebra、Geometryであろう。微分積分は解析学の中に含めれていた。Chat GPT によれば、AnalysisはCalculus を含んで、より専門的な内容とある。確かに、この本は、高校で習う数学の程度から始まっている。
日本と米国の平均的な学生の学力は、高校までは日本が上、しかし、大学になるとこれが完全に逆転すると言われている。この教科書を見ると、そのことがわかる気がする。色刷りの関数のグラフや表が多用される。また、練習問題が理解の程度に応じてたくさん出ている。ある程度の学力があれば、独習が可能だろう。物理学の本であれば、Feynman の講義教科書にあたるだろう。
次に理解できなかった単語は、Early Transcendentals である。哲学用語のようにも感じられる。調べてみると、なんてない。Transcendentals は、三角関数、指数関数、対数関数、など(超越関数:あまり聞きなれない)を表す単語である。それでも、その前の形容詞Earlyが理解出来る人は少ないだろう。調べると、本の内容が積分を習う前に出てくることを意味するようだ。
パラパラと読んでみて、まず、気に入ったところは、数学の「概念:Concept」 の理解を強調していることだ。「概念」( 私の言い方では「本質」) は、分かった時には、清々しい気持ちになる、という意味の言葉が書かれている。
気に入ったもう一つは、数学概念における極限の重要性の指摘である。限りなく近づくという感覚は誰にも分かるような気がする。しかし、この極限概念は、数学の天敵である無限大∞をあるいは実数のゼロ0 を理解するためにはなくてはならないし、数学的により厳密に述べようとすると厄介である。ε-δ法などの記述はそのために生まれたようだ。この記法も習った時には、途方にくれた。しかし、今になってみると、すっきりと理解出来る。
練習問題の一つをあげてみる。
これは次の例の一つである。
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