数学論文投稿(電子情報通信学会 8度目の拒絶と9度目の投稿)

 またもや拒絶通知がきました。前回担当の編集委員が査読者に回さないで、自分だけで判断して拒絶したことは前回の報告で書きました。実はこの時に編集委員会の幹事団で問題になり、そこで協議した結果だったことが判明しました。それで、今回は、幹事団の一人が編集委員担当となったようです。

前回の回答文を九大電気情報工学科の同僚に読んでもらいました。彼が言うには、私の回答は喧嘩を売っているそうで、これでは、また落とされると言っていた。彼の予言が当たりました。それもあって、今回の投稿はあまり反論せずに、編集委員の指摘事項を満足するように書き直しました。 実は、この条件が私には理解が難しくだいぶ考えました。考え続ければなんとかなるものです。すっきりとしました。

今、改訂原稿回答書を書き終えて寝かせているところです。興味がある方は見てください。

回答書の最後の部分のみを下に書いておきます。

付け足しの付け足し

  私が本学会にこの論文原稿を投稿したのは、何度も書いたように、日米の数学会に門前払いで落とされたからです。本学会に数学の専門家は居ないのではないかということは十分承知しています(ただし、査読者Bと旧査読者A は数学専門家に劣らない素養を持っているように、私には思えます。有り難いことです)。私がそれでも本学会に投稿したのは、数学の特質にあります。数学は数式で書かれている場合には、たとえ数学の専門家でなくとも、その意味するところは少し学習すれば、そこそこ理解できることが多いからです。今回の論文原稿がそうだと思いました。編集委員を含めて査読者とやり取りすれば、論文の評価(正しさと有効性)をできると考えました。数学のこの特質ゆえに、様々な分野で数学が使われているのです。

 物理の問題はそうではありません。例えば、量子計算機や量子暗号通信の原理になっている、「量子もつれ状態」を私は未だ理解出来ません。解くべき問題に応じて、量子もつれをどのようにしてほどいて解を得るかについては、専門家の解説でも本質の肝心なところに触れていない気がします。

 私はこれまで、マイクロ波回路で使うMaxwell 方程式を解くときに現れたBessel 関数、行列とテンソル、通信方式における線形システム理論とフーリエ変換でのデルタ関数、雑音を表現する確率密度関数、通信の暗号化における整数論など、数学のお世話になってきました。物理的な解釈に対する私の間違いを、数式が何度も指摘してくれたこともあり、数学には大変感謝しています。「量子もつれ状態」を誰かが正しく数式表現してそれに基づいて説明してくれれば、その本質の理解は容易になります。

 ところで、参考文献[10] は数学の本質を的確に書いています。普通には5冊ぐらいになる数学内容を1冊にまとめていて、しかも天下りの記述が無いことと、適切な例題をあげているので分かりやすい(微分方程式の解の存在と一意性の定理まで書いている!)。著者は工学部出身のようです。本質さえつかめば、数学の専門家でなくとも、数学の正しい議論ができる見本のようで我々も勇気づけられます。彼がこのように書けたのは、本質の理解を大事にし、また、数式が表すものに物理的意味を与えていたからだと思います。私の議論が数学的でないとしたら、物理的な意味が頭にあって数式表現が追いついていないからでしょう。

  彼は、フーリエ解析についても章を立てて書いています。工学部向けの教科書をうたいながら超関数理論におけるフーリエ変換も手際よく、書いています。それで、私は、本原稿の投稿の最初の頃の段階で目を通してくれるように依頼しました。彼は親切にも応えてくれました。式の変形は追っていないとことわった上で、フーリエ逆変換の定義においては、最初から広義積分を仮定するのが良いとの助言をいただきました。その他、これといった問題点の指摘は、ありませんでした。虎の威を借りるために、ここに書かせてもらいます。

  前にも書いたように、私の議論は一旦分かってもらえれば、単純なことです。だから、コロンブスの卵と表現しました。立てることができないと言われていた卵を、彼がどのようにして立てたかと私の提案は同じ部類でしょう。彼は、議論の前提の不明瞭性を突いて、卵を立てました。私は、これまでの定義を変更して目的を達成したと主張しています。ここで、私が数学における規則を破っていないことが大前提です。私は破っていません。

  前々回の編集委員の指摘に対処するために、私は何人かに助言を求めました。残念ながら、正面からの返事はありませんでした。ある人は、私の反論の書き方が良くなく喧嘩を売っているので、通してもらえないとの意見。別の方は、編集委員の判断に納得できないのであれば編集委員会に直訴したらとのこと。元総長が個人的に頼んでくれた数学の専門家は、フーリエ解析は専門でないので評価できないとした上で、Elsevier Journal への投稿を考えたらと助言してくれました。参考文献[1] の著者(故人)が勤めていた、数理解析研究所の後任の所長当てに、私が故人と面識があり今回の論文で指導してもらったことを書いて依頼したけど、未だ返答はありません。東大工学部向けの数学の教科書、「フーリエ・ラプラス解析」の著者に、厚かましくも依頼したけど、今の所、音沙汰なしです。それで、今回も孤立無縁で原稿を書き直しました。

 編集幹事団が今回の私の書き直しに納得できない場合には、可能であれば、査読者Bに加えて、参考文献[10]の著者に特別に査読依頼することも、議論を終わりにするために役に立つように思います。ご検討をよろしくお願いします。

コメント

このブログの人気の投稿

数学論文投稿 (電子情報通信学会 9度目の拒絶と10回目の投稿)

日本数学会への論文投稿(続き)