数学会への論文投稿(その3)

 

米国数学会へ論文を投稿する事は、先のブログ「作品の推敲」で書きました。正月早々に返事が来ました。その全文は下記の通りです

 

Dear Professor Akaiwa,

 

This message concerns the manuscript

  An Elementary Approach to The Fourier Transform of Not Absolutely-Integrable Functions

   by Yoshihiko Akaiwa

submitted to the Proceedings of the American Mathematical Society.

Unfortunately, we cannot accept it for publication.

Sincerely,

 

Dmitriy Bilyk

Editor of Proceedings of the American Mathematical Society

 

案じていたような拒絶の知らせです。それもこのようにそっけないものです。これに比べると先に報告した日本数学会の返事はまだマシだ(しかし内容は同じ)。私は米国に本部がある電気系学会IEEE (Institute of Electrical and Electronics Engineers)や、日本の電子情報通信学会などに論文を投稿してきた。落とすときにはその理由を書いてきます。ときには、複数の査読者の間で賛否が分かれ、担当編集者が著者に対して弁明の機会を与えます。特許の申請に際しても、拒絶の理由は必ずつけられます。1番多いのは、既存の技術から、容易に類推できると言う理由です。審査官にとって最も楽なやり方だからと思う。これで引き下がってくれれば、審査の努力と時間の節約になるからです。何度も反論しながら食い下がって、受理された経験があります

米国の数学会は応用数学も受け付けるとあったので、少しは期待してました。私には、数学会は特別異質なように思われます。今後どうするか考えてみます。現役を退いているので、論文を出したところで、私の今後の生活の役にたつわけではありません。現役当時、学部学生に対する講義で、超関数の理解なしでデルタ関数を教えてきた罪悪感を少しでも和らげて死んでいきたいと思うからです。また、学問に誠実に向き合って学生に講義をしている工学系の先生方が、フーリエ変換を初等的に教えるときに役に立つと信じています。

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