数学論文投稿(電子情報通信学会から電気学会へ)
電子情報通信学会 英論文誌A (基礎境界) への論文投稿が破局になったことはすでに書いた。そこで、古巣の通信ソサエティの英論文誌に投稿をしていました。ところが、少し案じていたように、下記のような受付拒否の連絡が来ました。
The IEICE Transactions on Communications editorial committee has regretfully decided that your manuscript be returned to the authors without being considered for publication because it appears to have little relation with the topic of our journal.
どこの論文誌に投稿するか思案していたところ、友人の助言もあったので、電気学会の英論文誌(基礎)に投稿しました。この論文誌は応用数学を分野に含んでいるので、上のような拒絶理由はないと思っています。また、私の引用文献が日本語で書かれているものが多いので、外国の論文誌はこの点が問題になるかもしれないと思った次第です。
私が添えた手紙を紹介します。
電気学会論文委員会 殿
2024.12.10
赤岩芳彦
非会員ですが投稿させていただきます。この論文は私が会員である電子情報通信学会の論文誌に投稿したものの、悲しいいきさつ(私の短気で不適切な言動も原因)で査読を打ち切られたものです。
論文の内容は、フーリエ変換の理論とその応用に関するものです(参考までに別紙に内容をまとめております)。フーリエ変換は、電気工学でも必須の数学的道具の一つであると思います。ただし、対象とする関数が積分不可能な場合には、その理論的な扱いは超関数の議論が基になっています。例えば、電気工学で多用される三角関数のフーリエ積分では、デルタ関数が現れます。デルタ関数もまた、電気工学で利用する数学の代表の一つです。
超関数理論におけるフーリエ変換の定義は、抽象化され従来の定義と大きく異なっています。そのため、適切な教科書が少ないこともあって、数学を利用する工学者には馴染みが少ないです。それで、超関数理論に基づくデルタ関数が現れるフーリ変換を、工学部で自信を持って講義している教官は少ないと思います。この論文はこのような状況を打開するのに、いくばくかの貢献ができると私は信じています。
フーリ変換に興味がある方は、電気学会の会員および論文委員の中にも必ずおられると思いますので、ぜひとも受理して査読に回していただけないでしょうか。数学理論は世界に共通です。もし、私の論文の価値が認められたとしたら、電気学会論文誌の評価を高める一助になると思います。
可能であれば、査読者の一人を私から推薦させていいただきます。この方は、私が彼の本(「これならわかる工学部で学ぶ数学」、プレアデス出版 2003年7月 )を読んで大変気に行ったので、論文の原稿段階で一度読んでいただき、簡単な助言をいただきました。ただし、面識はありません。
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