テンソル透磁率の非線形性について

  マイクロ波回路は、私の初めの研究課題であった。特に導波管サーキュレータは、私の学位論文の題目である。サーキュレータの大電力下での非線形歪みによる特性劣化が問題になる可能性があることを相談された。そこで、その理論を調査するため、1949年に出された論文、D. Polder, ‘On the theory of ferromagnetic resonance’, Philosophical Magazine,vol. 40, pp. 99-115, January 1949 を探した。九大の理系図書館にあることが分かったので、久しぶりに伊都キャンパスをカミさん同行で訪ねた。名誉教授の特典として、図書館を使えることは知っていた。この特典を初めて使う事になった。おまけに駐車料金が無料になった。この論文のコピーを取り読んでみた。学位論文に引用してあるので、読んだはずだが、しかし、内容が記憶にない。この論文を下敷きにして、きわどい議論を展開しました。興味のある方は読んでください。

 

概要 マイクロ波回路の一つであるサーキュレータはその非可逆性により、無線通信装置で重要な役割を果たす。これが、レーダーなどの高電力下においては、非線形歪みを発生することが知られている。ここでは、サーキュレータの非可逆性のもとになっている、磁性媒体(フェライト)の非対称テンソル透磁率の非線形性特性を理論的に検討した。結論として、サーキュレータの特性を悪化させうることが示された。透磁率における歪みを、近似を用いて現象論的に導入したある微少量を用いて表している。

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