思い込み(1) - 孫の算数問題 -

子供の頃の思い込みは、すでに、ブログ「船のタイヤ」に書いた。最近のものを紹介する。1ヵ月以上前に、4年生の孫の算数の問題がわからないので教えてくれと、息子経由のメールが送られてきた。正方形の紙を2度折り曲げて、作られる角度の1つを求めるものだ。ひと目見て、大した事はないと感じたので、FaceTimeでのビデオ会話で孫に言った。「こういう問題は実際に折り紙を折ってみると良い」と。

 解き始めてなかなかできない。問題図に示されている紙の角の1つが、1つの辺の上にちょうど重なるようになっているので、この事実を使って、相似形や角の対称性、三角形、四角形の内角の和などを使って、いくつかの方程式を立ててみた。いろいろな方程式を作ってみたけれども、変数の数と方程式の数を同じにすると、方程式が独立にならず、解けない。1週間以上、頭を冷やしながら何度か考えたがまだわからない。途中で、ビデオ会話で、まだ分からないと正直に話した。その際に、「爺さんは高校のとき、幾何が苦手だった。1年生で幾何を教えてくれた先生が下手だった。2組あった理系進学クラスの補修授業で数学は、2年生の途中まで成績の悪い方のB組であった。この手の問題は、都内の電車にぶら下がってある有名私立中学受験の類のひねくれたものだ。算数の問題は、じっくり考えて時間をかけるほど、解けたときの喜びは大きいよ。お前のパパが、高校の期末試験前に数学の問題を聞いてきたとき、爺さんは、元に戻って1から色々と説明しようとしたら、どうでも良いから答えだけを教えろと言ったことがある。それで、その後、伸びなかった」と付け加えた。

 時々、思い出したように考えてはみたが、解けなかった。しびれを切らしたのか、1ヵ月以上経って、息子から解答が出ているページの写真がメールで送られてきた。なんて事は無い、折った紙をもとに戻して考えれば、小学生で簡単に解ける。問題をよく読むと、紙の1つの端が辺の上に重なるとは一言も書いていない。私は勝手に思い込んでいたのだ。メールの返事に次のように書いた。「そんなことだったとは。騙された気分だ。盲点だった。紙を折ってみたら気づいたはずだ。悔しい」。

コメント

このブログの人気の投稿

数学論文投稿 (電子情報通信学会 9度目の拒絶と10回目の投稿)

日本数学会への論文投稿(続き)

数学論文投稿(電子情報通信学会 8度目の拒絶と9度目の投稿)