プログラム電卓HP33E


この電卓は、43年前、会社に勤めていた頃買った。当時の月給の半分くらいの値段だったと思う。下宿先のおばさんが、横浜高島屋の割り引きカードを持っていたので、頼んで手にれた。逆ポーランドという算法を用いており、慣れると使いやすい。レジスタ(スタック)、x, y, z, t  Last x を持っている。レジスタに入っている値に、演算を行うことで計算を実行する。

例えば、1+2を計算することにする。まず、“1”を入力する。これは、レジスタx に入る。次に、Enterキーを押す。これにより、レジスタyにレジスタxの値がコピーされる。次に、“2”を入力すると
レジスタの値が2になる。最後に、“+”を押すと、レジスタとレジスタyの値が足されて、レジスタに“3”と表示される。日本語の言葉の順序、「12を足す」というように演算(動詞)が最後になる。レジスタyには、レジスタの値が降りてくる。レジスタには、レジスタtの値がコピーされる。使った値は、消えるのでレジスタを有効に使える。レジスタxの消えた(演算前の)値は、Lastxキーで復元できる。

内臓関数もかなり揃っている。プログラムも操作手順をそのまま行えば良い。ステップ数は最大49であるものの、これまで、少ないと感じたことはない。表示が赤色の発行ダイオードであり、明るくて見やすい。プログラムの実行中に、この点滅が見ていて楽しい。電池は、充電式のニッケルカドミュウム(松下製)が付いていた。長く使っているうち、その補給が心配になったので、ニッケル水素電池を秋葉原で単体で買って、ケースに入れて使うことにしていた。その後、汎用単3充電池(エネループ)を使えるように細工した。

最近、ブログを書くために、整数の演算を行う必要があり、久しぶりに使うことにした。ところが、手動計算は動くのに、プログラムを動かすと不安定になる。電池パックを外してみると、電池に接触する電卓側の金属バネ板が取れており、外部電源をつないでも、内部の充電回路のみでは、供給電圧が低いことが分かった。そこで、九大在職中に買って、一度も使ったことがなかった、HP48Gのことを憶いだした。手動計算は、同じであるものの、プログラムの作成と始動手順は全く異なっている。何せ、入力キーの種類が多すぎる。英語の説明書をダウンロードして、読んでやっと動かすことができた。プログラム作成は、キー操作によるもの以外にも、数式をタイプすることもできる。キーボードからは、数値、コマンド以外にも、アルファベットや多数の記号まで入力できる。私の計算では、これほどまでの性能は要らない。それが、これまで一度も使わなかった理由であろう。

HP33Eで十分だし、懐かしみがある。そこで、近くにある、(株)マイクロラボ(マイクロ波回路の設計製作、私は技術顧問)の主人に頼んで修理することにした。電池が接触する金属バネ板は、穴あきハトメで止めてあった。その穴に金属ピンを通して、基板にハンダ付けしてもらった。これで元のように使えるようになった。年をとると昔使った物がいとおしくなるものだ。

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