ヒートポンプ方式冷暖房の効率が良い理由
私は、ヒートポンプ方式の冷暖房の原理を、分っているようでいて、そうでもなかった。勉強して分ったので、要点を書き出しておく。ヒートポンプでは、冷媒と呼ばれる物質(液体/気体)が密閉された配管の中を次のように循環する 。 1 気体状態の冷媒を、圧縮機で ( 断熱 ) 圧縮すると温度が上がる 2 圧縮した高温冷媒から熱を奪う ( 熱交換 1) と温度が下がり、液体 に なる 3 温度が下がって液体となった冷媒の圧力を下げるとさらに温度が下がる 4 温度が下がった液体冷媒に熱を与える ( 熱交換 2) と気化 する 暖房では、熱交換器 1 は室内側に、熱交換器 2 は室外にある。室内の空気を熱交換器 1 に当てることで、空気が温められる。と同時に 冷媒の熱が奪われ温度が下がり液体になる。 室内器は熱交換のみであり、圧縮機などのその他は屋外器に設置されている。 原理は断熱圧縮と断熱膨張による冷媒の温度変化 にあると、私は正しく理解していた。また、断熱圧縮は電気を使う圧縮器で行うと考えたことも間違っていなかった。しかし、断熱膨張も電気を使う特殊な装置を用いているものと思っていた。調べてみると、単に液体弁を開閉するのみであった。冷媒の圧力が高くなっているので、たしかにこれで十分である。私の理解不足は、液体/気体状態変化をはっきりと認識していなかったところにもあった。 ヒートポンプが高効率である理由 ( 原理 ) はどこにあるのだろうか。その秘密は上の工程 4 にある。室外の熱交換器に外気を当てると外気の熱が冷媒に吸い込まれるからである。断熱膨張した 冷媒の温度は外気温よりも低くなっているので、こうなる。 何か不思議な気がしないだろうか。例えば、外気温は 10°C であり、室内温度は 20°C であったとしよう。冷たい外の空気を使って、室内温度をこれよりも高くできるのである。ヒートポンプは外気の熱を吸い上げて、室内に吐き出しているのである...